遺影
正式には、亡くなった故人を偲ぶために作られた写真や肖像画のことを「遺影(いえい)」といいます。 遺影は葬儀のときに祭壇に飾られている故人の写真は、ご遺族が生前の写真の中から選んだものを引き伸ばし使います。 最近では、写真の加工技術もかなり進んでおり、集合写真の中から、故人だけを抜き取ったり、背景を変えたり服装を修正したりも出来ます。
遺産
亡くなった方が生前に所有していた預貯金や土地・家・証券など、経済的な価値のあるもので金銭に換算できるものを「遺産(いさん)」といいます。 亡くなった方がもっていた電話加入権や著作権なども遺産と考えられます。 また死亡保険金や死亡退職金などは相続財産として考えられます。 亡くなった方の財産は、民法などの法律で配偶者・子供・兄弟等へと相続の権利が移ります。 死亡届が役所等に提出されてしまうと、亡くなった方の預貯金はすでに「遺産」となり、いくら遺族であっても相続の手続きをしていない限り銀行等の金融機関から引き出すことは一切できません。
位牌
位牌は、表に戒名(かいみょう)を刻み、裏には没年月日、享年(きょうねん)、俗名(ぞくみょう)=生前呼ばれていた名前を刻みます。 黒の漆塗りのものを使いますが、葬儀が終了し、四十九日の法要が終わるまでは白木の位牌を使います。 四十九日法要が終わるまでに本位牌を準備しておき、菩提寺の僧侶によって開眼供養をしていただき、本位牌に魂を入れていただきます。
一周忌法要
故人が亡くなってからちょうど一年後に行う法要のことを一周忌法要(いっしゅうきほうよう) といいます。 この法要は、菩提寺の僧侶より読経をいただき、焼香、法話、会食という流れで行います。 この一周忌法要のときにお墓参りをするのが一般的で遺族の方々はこの法要を持って喪あけとなります。法要の会場は、自宅や寺院・ホテル・斎場などで行います。
宇宙葬
宇宙葬(うちゅうそう)と聞いても、あまり実感がわかないかもしれませんが、すでに数百人の方がこの方法でご葬儀をあげておられます。 宇宙葬といっても、遺骨の一部を特殊なカプセルに入れてロケットに乗せ地球を周回する軌道に乗せるもので、最終的には大気圏に突入し完全に消滅してしまいます。そして、カプセルに乗せられた遺骨は完全に宇宙の一部になるのです。 地球を周回する年数は打ち上げ高度によって変わってきますが、数年から数百年の間地球を周回しています。その間、故人は遺族を宇宙から見守っているという思いも強くなることでしょう。 宇宙葬の費用は約100万円で、セレモニーや打ち上げの様子をビデオなどに撮影し、宇宙葬証明書がついてきます。別料金で遺族の手によってロケットを打ち上げることもできます。
永代供養信託
「永代供養信託(えいたいくようしんたく)」とは、海外移住などの理由で供養を続けることができなかったり、跡継ぎがいなくなったりするというような場合、信託銀行と契約することで、契約者の死後、供養を続けるための費用を菩提寺に払い込む制度のことをいいます。
永代供養墓
永代供養は、何らかの事情で供養ができない場合や後継者がいない場合、その人に代わりお寺が責任を持って供養をすることを言います。 永代供養の場合、他の人の遺骨と一緒に納骨堂か共同の墓に納骨されます。 このため一般の墓とは違い「永代供養墓(えいたいくようはか)」と呼ばれています。
エンバーミング
エンバーミングというのは、遺体の修復や消毒、殺菌、腐敗処理等(ふはいしょり)の技術のことを言います。 長期間の闘病で生前の元気だった頃の面影がなくなったり、事故で傷があったり葬儀まで日数があり遺体の状態が心配される場合などにこの技術を施してもらうようにご依頼をされる方が多いようです。 遺体の体液と薬液を交換することにより、全身の消毒と腐敗防止をするので専門業者に依頼することになります。
会葬礼状
「会葬礼状(かいそうれいじょう)」というのは、喪主が葬儀や通夜に参列してくださった方々ひとりひとりにお礼を申し上げるところ、何かと取り込み、忙しくて直接お礼が言えないことから、参列者ひとりひとりに渡すお礼状のことをいいます。
戒名、法名、法号
僧侶が、亡くなった方につける名前を「戒名(かいみょう)」と思われていますが、本来戒名は、生前に与えられる名前でした。しかし現在では、亡くなった方に対して葬式のときに受戒させ、仏の弟子として浄土(じょうど)へ旅立たせるという「没後作僧(ぼつごさそう)」が一般的です。 戒名は、今では「院号・道号・戒名・位号」の4つをあわせたものを戒名としていますが、「どのような身分の人間であっても仏の前ではみな平等」という教えから、本来の戒名はすべて二文字でした。院号・道号・位号はあとから加わったもので、院号を授けられる人は、生前の功績が大きかった人に贈られる特別な戒名です。道号は、仏教を会得した人に贈られる尊称で、位号は性別や年齢をあらわしたものになっています。 また戒名は宗派によって呼び方が違っており、天台宗、真言宗、浄土宗、禅宗では「戒名」といいますが、浄土真宗では「法名」と呼び、日蓮宗では「法号」といっています。
形見分け
「形見分け(かたみわけ)」は、亡くなった方が生前愛用していた品物や思い出の品物を親族やごく親しい人で分けて贈ることをいいます。 形見分けを行う日を特別に設ける必要はありませんが、忌明けにあわせて形見分けをすることが多いようです。形見分けのしきたりとして、形見分けの品物に包装はしないでそのままの形で贈るということです。目上の方にはその相手が望まない限り形見分けはしないということになります。
火葬許可証
亡くなったご遺体を火葬したいと思っても「火葬許可証」がなければ火葬を行うことは出来ません。 亡くなった方の本籍地や居住地、または死亡した場所にある役所で死亡届の提出と同時に火葬許可の申請を行います。
冠婚葬祭互助会
人 互助会というのは、互助会会員から毎月一定の金額(選ぶコースにより1000円~8000円程度の金額)を徴収し冠婚葬祭のときの積立金を費用に充当するというシステムです。 互助会はまだ物資が少なかった戦後まもなくの時代にお互いが助け合ってお金を出し合い祭壇を作ろうという「助け合い精神」から生まれたものです。 葬儀についてはいろいろな考え方があり自分らしい葬儀をしたいと考える準備に役立てることや、設備が整った会場で葬儀が出せるということや葬儀の手伝いもあり、ゆっくりと最後の別れを亡くなった方とできるということから互助会を利用する人が多くあります。 しかしその反面、互助会に対してのクレームも年々増えているのも事実です。 クレームの原因のほとんどは「積立金で全て葬儀費用がまかなえる」という勘違いをするような説明をしている方法に問題があるようです。
清め塩
葬儀も無事に終了し、火葬場で荼毘に付されて遺骨になり自宅へ戻ったときに、火葬場に同行しなかった人に塩をふりかけてもらい清めてもらうことを「清め塩(きよめじお)」といいます。
御仏前、御霊前
葬儀に持っていく香典をいれる不祝儀袋の表書きに「御仏前」「御霊前」と書かれて販売されているものや無地のものがあります。宗派や地域によっての違いはありますが、通夜や葬儀での香典の表書きは「御霊前」で、四十九日の忌明けがすめば「御仏前」と表書きを書き換えます。
散骨
散骨(さんこつ)は、遺骨を粉末にして海や山などに撒くことを「散骨」といいます。 「墓地・埋葬法」では散骨については述べられていませんが、禁止されているのではなく制定当時に散骨という埋葬法が想定されていなかったのです。法律で禁止しているのは刑法190条で、散骨を葬送のための祭祀ととらえて「節度」を持って行う分にはなんら問題はありません。 問題がないからといって、自分の好きな場所にどこでも散骨をしていいというわけではありません。 他人の土地や釣り場などに散骨をして精神的負担をかけた場合、民法の精神的損害賠償の対象となるので散骨には充分注意をして行わなければなりません。また、自治体によっては散骨をする場所を設定しているところもあるので、散骨をする前に自治体に確認することを忘れないようにしましょう。
死化粧
亡くなられた方の髪の毛やお顔を整えるために施すことを「死化粧(しにげしょう)」といいます。 男性の場合は髭をそり、女性の場合は口紅などを用い薄化粧をします。 闘病のため頬がこけていた場合は、綿を含ませてふっくらとさせるなどします。 死後硬直が始まってしまうと思うように動かせないのでできるだけ早く丁寧に化粧を施します。
死に水、末期の水
息を引き取られた後、家族が口元を水で潤すことを「末期の水」あるいは「死に水」といいます。 本来ならば臨終の間際に行われたことですが、今では亡くなられた方に対して行われています。 脱脂綿を箸に巻いて糸で縛ったものに水を含ませ、軽く口元を湿らすように潤します。
社葬
「社葬」を行うのはその会社にとって大きな業績を残した人のために会社が費用を出して、会社が主体となって執り行う葬儀のことを言います。
初七日
亡くなった当日から数えて七日目を「初七日」といいます。 この日に行われる法要を「初七日法要」といいます。人の魂は七日ごとに七回の審判を受けて次の世界に生まれ変わるといわれています。亡くなった方が善い世界へ旅立てるように生まれ変われるように祈り、この世にいる私たちが執り行う法要です。
生花祭壇
生花祭壇(せいかさいだん)は、白木祭壇を使用せず、遺影を中心に生花をアレンジして宗教色の濃くない祭壇になります。ホテル葬や社葬によく使われたり、アットホームな家族葬などで人気のある祭壇です。
団体葬
協会や学校などの団体が責任を持って葬儀の費用をだし、運営に当たる葬儀を団体葬といいます。 団体葬がいくつもある場合は『合同葬』となります。団体葬も合同葬も初めは遺族、親族が密葬を行い、2週間から4週間の準備期間を設けてあらためて団体葬をします。
友引
「友引に葬式を出してはいけない」ということは全国的に有名ですが、本来仏事にはなんら関係のない話です。「友引」は「共引きして勝負無し」ということで「ひきわけ」という意味です。
菩提寺
先祖代々のお墓があるお寺、もしくは新しく墓を求めたお寺のことを「菩提寺(ぼだいじ)」といいます。
埋葬、埋葬許可証
法律の定義では、死体を土中に葬ることを「埋葬(まいそう)」といい、お墓は死体を埋葬、もしくは焼骨を埋蔵するところとなります。 現在の日本はほぼ100%火葬されます。火葬が終わったお骨を納骨堂やお墓に納めます。 埋葬や埋蔵をするのには市区町村長の許可が必要で、「許可証」の交付を受けるために申請手続きが必要となります。 故人が死亡した後、医師に「死亡診断書」を書いてもらいます。死亡診断書と死亡届は一緒になっていますので、市町村役場へ行き「死体火葬許可申請書」と一緒に提出します。提出が終わると「火葬許可証」が発行されるのでそれを火葬場には必ず持参し、火葬場管理事務所に提出します。 火葬が終わると「火葬許可証」に火葬が滞りなく終了したことの証明を記載してもらいます。これが埋葬許可証になります。埋葬するのにも埋蔵するのにもこの埋葬許可証がなければできませんので、埋葬、埋蔵が終了するまではなくさないようにしっかり管理するようにします。
無宗教葬
「無宗教葬(むしゅうきょうそう)」というのは、僧侶などの宗教者を招かず、焼香のような宗教の意味合いをもった儀礼をおこなわない葬儀のことをいいます。 宗教を信じないという意味ではなく「宗教色」が感じられない人それぞれの演出ができる葬儀と捉えるのがいいでしょう。無宗教葬は、あまりなじみがなく、通夜、葬儀告別式のすべてを「無宗教葬」でおこなうことは少なく、通夜、葬儀は身内だけでおこなう家族葬にし、日を改めてお別れの会などを無宗教葬にするという形が多いようです。
友人葬
一般的な意味では友人が主催して行う葬儀のことを「友人葬」といいますが、現在は創価学会の葬儀のことを「友人葬」あるいは「学会葬」といいます。 僧侶を招くことはなく、「儀典長(ぎてんちょう)」を中心にして会員が「お題目」を唱えます。葬儀全体を会員のみで行うので、お布施を準備する必要はありません。